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全社的リスク管理(ERM)

今般の世界的な金融危機を乗り切る上で、優れた全社的リスク管理(ERM)の存在は重要な役割を果たしました。反対に、ERMに脆弱性が見られた企業は破たんに追い込まれることとなりました。適切なERMの取り組みによって、想定外の事態に対して、金融機関の強靭性(回復力、復元力)は高まり、さらに、効果的なERMは競争優位性にもつながります。そのような観点から世界の規制当局も業界全体のERMに対する監督および規制要件の強化を行ってきています。

プロモントリーはERMを支えるインフラの構築を始めとする、ERMのあらゆる側面について支援実績を有しています。ERMの分野については包括的な期待要件の明文化がなされていないことから、プロモントリーでは独自の基準や手法を確立していますが、それらは結果として金融機関や関係当局から高い評価を受けています。

ERMプログラムおよび実務の有効性を評価する際に適用する基準は、規制当局や業界での業務経験、ベストプラクティスに関する知識、および、世界各国の当局の規制・期待要件に基づいています。

プロモントリーはお客様の適切なリスクアペタイト(選好度)戦略の決定や、リスク選好度の枠組みを支える態勢整備に取り組んできました。こうした取り組みには、リスク管理の枠組みである「スリー・ライン・ディフェンス」アプローチに基づく強力なガバナンス態勢や報告のテンプレート化等が挙げられます。プロモントリーの専門家からなるチームは、信用、市場、流動性、コンプライアンス、オペレーショナル・リスクといった個別のリスク管理分野でその力を発揮しています。またプロモントリーは、金融危機後の規制当局の動向を十分に把握しており、また、規制当局の期待についても認識しています。

効果的なERMの枠組みとしてプロモントリーが採用する基準は大きく分けて以下の4つとなります。


内部環境

  • 取締役会および経営陣のコミットメントおよび指揮系統(トップの姿勢)
  • 取締役会および経営陣のリスク・アペタイト(選好度)
  • 規制当局との関係
  • リスク管理および独立した内部統制機能の水準
  • ビジネス上のリスク管理に関する期待
  • インセンティブ体系の設計および利用(リスクベースでの業績評価等)

ガバナンスおよび態勢

  • 取締役会および経営委員会の組織構造および有効性
  • 方針、規程、および、手続
  • 役割、責任、組織構造、CRO(最高リスク管理責任者)およびERM機能の独立性
  • 適時かつ効果的なガバナンスを実現するための報告の十分性

あらゆる個別リスクおよび連結ベースでのリスク管理

  • リスクの特定
  • リスクの評価(経済資本およびストレステストを含む)
  • リスクの報告、および、モニタリング
  • リスクのコントロール(許容度、リミット、基準、禁止、価格への織り込み、ヘッジ)
  • 財務および事業上のコンティンジェンシー・プラン

独立した内部統制機能(監査、信用調査、モデルの妥当性の検証、コンプライアンス・テスト)

  • リスク評価および優先順位付け
  • 計画策定、範囲の決定、報告
  • 問題の特定、優先順位の決定および問題解決
  • 経営資源の充実度
  • 独立性確保

【具体的なサポート例】

  • リスク管理業務の包括的な検証を実施し、分析結果を取締役会の特別委員会に直接報告しました。この検証で対象となったのは、全般的なリスク・ガバナンス、信用リスクのガバナンス、資本管理業務、流動性管理業務、損失予測、市場リスク、信用リスク、オペレーショナルリスク等です。
  • 大きくて複雑な銀行組織のベスト・プラクティスに沿ったリスク管理の枠組みの策定を支援しました。取り組みではまず、既存のリスク管理業務を銀行持株会社に対する期待要件に照らし合わせ、包括的に評価しました。この評価に基づき、多くの分野に関するリスク管理の改善計画を策定しました。
  • コーポレート・ガバナンス、経営構造、リスク管理に関する第三者調査を行い、取締役会および規制当局両方に報告書を提出しました。リスク管理の検証では、ガバナンス全 般や態勢、および、信用リスク、流動性リスク、資本管理機能に関する詳細な分析に焦点を当てました。
  • リスク管理の組織、ガバナンス、および機能に関する検証を実施しました。注力した点は、経営陣の交代と共にリスク管理のガバナンス態勢を向上させ、また、それを浸透させるため、新たに就任した代表取締役に対してロードマップを提供することでした。それらには、信用リスク、市場・流動性リスク、資本計画、オペレーショナル・リスク、コンプライアンス・リスク、独立した内部統制機能が含まれます。
  • 当局指導への対応に関するサポートとして、リスク管理プログラムの策定や実施を行いました。また、債権分類プログラムや貸倒引当金の算出手法の高度化を含む信用リスク管理プログラム実施の支援も行いました。その他、全社的な報告体制の設計にも携わりました。
  • コンプライアンスおよびオペレーショナル・リスクに関する全社的な報告体制を強化するサポートを行いました。プロモントリーは、当該銀行のERMインフラについて範囲、妥当性、有効性を法律・規制上の要件、規制当局の指針、および業界の適切な実務水準に照らし合わせて検証しました。オペレーショナルリスクについては、各事業分野(70を超えるのビジネス・ライン)および全社的に報告されるリスクからなるリスク・セグメントの枠組みを策定しました。この取り組みの一環としてバーゼルIIの自己資本算出において、当該銀行の損失を追跡するため総勘定元帳の項目を参照し、これら項目をリスクセグメントの枠組みに当てはめ、企業全体のリスク情報を纏めました。さらに、経営陣に対し、リスク管理に関連する補足的な情報(総勘定元帳で把握できないもの)を反映したデータベースの設計・構築を実施しました。これには「ニアミス」、つまり統制の失敗ではあるものの、計測可能な損失には至らなかったもの等が含まれます。その他、特に、プロジェクト管理や問題の追跡のためのデータベース、および、それに関連する報告を拡充し、改善状況に係る報告体制の強化を行うといった形で経営陣を支援しました。
  • マネー・ローンダリング対策のコンプライアンス・プログラムについて同業他社との比較分析を含む評価を実施いたしました。